彼方のアストラ全5巻のあらすじと感想

今年の2月くらいにツイッターでバズってたので
彼方のアストラ全5巻」を読んでみたけど、評判通り面白かった。
読了してからすぐに感想を書いたけど、ブログへの投稿を忘れてた……。

ツイッターでバズったのを見つけたのはよかった。
TLに表示されるのってツイッター側がある程度は取捨選択してる。
なのでバズっても自分のTLには出てこないことがある。
彼方のアストラはTLに表示されてラッキーだった。
少年マンガSFって事でチャチな奴かなとか、どうかと思ってたけど杞憂だった。

内容は100年後くらいの「地球」が舞台で、
高校生のグループが宇宙旅行に行って帰れなくなる話。

基本はSFだけど元が少年マンガなのでコミカルなシーンが多かった。
とは言え、4巻からは意外にシリアスな展開になってた。
あと、外惑星に行ける程の科学力があって、財布とか登場するのは変だなとは思った。

読み終えて振り返ると、伏線の張り方が上手い。
当たり前だけど自然にサラッと描いてんだよね。

彼方のアストラ第1巻

主人公はアリエスという女子高生で、いわゆるドジっ子。
高校の野外実習として惑星マクパにキャンプに行くのだけど、
無作為抽選されたメンバーで5日間過ごすというルール。
でも実は無作為ではなかった。
課題として「10歳の女の子を連れて行く」という制約があって、
メンバーのキトリーって子の妹が同行していた。
この妹も実は作為的に選ばれていた。

他のメンツは

  • 運動神経が天才的な筋肉バカのカナタ
  • IQ200の科学者の卵の天才ザック
  • 母親譲りの医療知識があるキトリー
  • キトリーの妹フニ
  • 工学が得意なルカ
  • 政治家の息子でジャーナリストの兄を持つウルガー
  • 天才歌姫の娘ユンファ
  • 金髪イケメンなのにゲテモノ生物の知識が豊富なシャルス

これらサバイバルに都合のよい異能を持っていたキャラが
都合良く集まってたのもちゃんと理由がある。
それは親自身が異能を持ってたから。

惑星マクパではいきなり謎の光球に襲われて惑星上空の空間にテレポートしていた。
そこでなぜか参加者全員が惑星に落ちずに宇宙を漂ってたのは疑問なんだよね。
惑星を周回するスピードが出てないとそのまま地表に向けて落下するはず。
テレポートした時点で惑星周回スピードに達してたの?
こういう科学的にどうかなってシーンは多々あった。

一同は宇宙空間に飛ばされたものの、
なぜか近くに乗り捨てられた宇宙船があって、
全員そこに避難して、サバイバル生活が始まる。
ツイッターでは「11人いる」を引き合いに出してた人もいた。
確かに似てる。
ここに船があったのはいかにもな御都合主義だった。
でもちゃんと理由はあると後でわかる。

船の電気系統は生きていて、装置で調べるとその惑星は実はマクパではなかった。
地球から5012光年離れた未知の惑星だった。
マクパとの距離は9光年のはずだった。
5012光年の距離では宇宙船でも3ヶ月はかかる距離で、
船内には20日分程度の水と3回程度の食糧しかなかった。
なので生還は絶望的だった。

……と思いきや、近隣の惑星の地図は船体のコンピュータに残ってて、
5つの惑星を経由して水と食糧を調達すれば帰還出来ると判明。
これはドジっ子と思ってたアリエスのアイディアだった。
地球までの惑星の地図が残ってたのも理由がある。
御都合主義かと思ってたけど違った。
これはIQ200のザックが計算していた。
あとはそれぞれの惑星でのトラブルがあって、
結局は地球に帰還っていう結末かと思ってた。
それは大筋では合ってたけど、サスペンス要素も混じってたとは意外だった。

ここで宇宙船発進の際にカナタがパネルの文字を見て
「古い言葉だと(アストラには)星っつー意味があんのか」と伏線発言していた。
読み返して気付いた。

最初の経由地はヴィラヴァースという惑星。
食糧班が木の実やら果実やらを採取していると、
再び謎の光球が出現して一行を襲撃。
と思ったら、なぜか唐突に消滅していた。
この時に、アリエスが映像記憶力を持ってると判明。
これも伏線の1つだった。
またこの直後、シャルスがアリエスに知り合いに似てたとも言ってる。
初見だとイケメンキャラがいかにも言いそうなベタな台詞だと思った。

後半はキトリーの妹フニが姉妹喧嘩で行方不明となる。
本当は義理の姉妹だけど、初めからよく似てたんだよね。
なので本当の姉妹と思っていた。

フニは日を浴びて急成長する植物の頂上に取り残されてしまう。
そこでドラポンと名付けた怪鳥がフニを攫おうとする。
カナタはフニを助けるべく、手近な崖から走り幅跳び。
ここでカナタが「20種競技」で3位となったスーパー高校生だと判明。
で、カナタは槍投げの要領で怪鳥を討伐。
この辺も初見だと、えらい都合いいなと思ってたw

最後はジャックが通信機を破壊した奴がいるとカナタに相談していた。

彼方のアストラ第2巻

第2巻はシャムーアという苔の惑星の話。

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シャムーアに降りる前にフニが
B5に入れて一斉殺処分
という自分を迎えに来た人物の言葉を思い出していた。
B5とはB5班というカナタ達のメンバーのこと。

カナタは皆を宇宙で殺す計画だったと解釈。
それでカナタは通信機破壊のことを打ち明けてた。
ジャックの表情を読んでのことだけど、意外に察しがいいなと。
ただの脳筋キャラかと思ってたんだよね。

で、一行の考えでは犯人自身も死ぬつもりでB5に入ったと結論づけていた。
とは言え、それなら宇宙船を破壊すればいいのに破壊してないんだよね。

通信機だけ破壊したのは地球と連絡させない為。
地球から救援が来ないようにって事だろうと。
かつ一行と一緒に帰還すると見せかけて1人ずつ抹殺するのかなと。
全員を始末したら通信機を直して地球から救援を呼べばいい。
これが私が初見の時の予想だった。
何らかの事情が変わって、帰還する事になったんだろうと。
初めに自分も死ぬつもりだったのなら、それは差し違える覚悟での怨恨が動機かなと。

その話が済むと流星群と遭遇して船体に穴が開いてた。
電力パネルも損傷し、重力制御も不可となって宇宙船は惑星に落下。
予備電源と接続して重力制御を回復させて難を逃れるのだけど、
シャルスが持ち込んだ未登録の生物のせいで重力制御を船体が拒絶していた。
なので、シャルスは怪しいと思ってた。
とは言え、惑星に激突したら自分も死ぬんだよね。
やはり自殺説が正しいのかなとも思った。
シャルスの顔はトラブルを楽しんでいるようにも見えた。
なので、抹殺が目的ではなくトラブルを演出して楽しんでいるだけとも思えた。

食糧採取シーンでは木の根元に行けば色んな植物があるだろってカナタの読みが正解。
ところが、ここには動物の死骸もあって、苔むしていた。
ただしどの死骸も草食動物のみだった。
肉食動物は発見できてなかった。
草食動物には何の外傷もなかった。
察しが良ければ、本当の捕食者が誰かわかるようになってんだよね。
ここは予想つかなかった。

水と食糧収拾は思わしくなく、節約する事となり、
ルカがユンファは「すごい食いそう」と軽口を叩いたせいで、ユンファは逃亡。
ユンファは母から目立たないようにしろと命じられて育った。
そのせいで自分に自信が持てない性格になってた。
つまり打たれ弱い子だった。

ユンファを探す一行は、ポールツリーの近くで胞子を吸ってしまう。
胞子は即効性の毒で全身が麻痺する性質だった。
この惑星の真の捕食者は木だった。
そうして死骸を木の根元に集めて養分としていた。

ここで都合よくユンファがたまたま見つけたキノコが毒の特効薬だった。
カナタはキノコを探しにポールツリーに向かうけど、キノコはなかった。
そこでカナタは「自分に資格がないんだ」と敢えて胞子を吸い込んで倒れてた。
するとポールツリーの根元にキノコが急に生えだした。
カナタはキノコを食って回復し、乗馬にしていたラクダのような生物で帰還。
ここらのシーンはさすがに都合よすぎ……。
カナタが妙に頭いいし、死ぬ前にキノコが急に生えるし。

ユンファは皆を元気づける為に歌を歌ってた。
その歌声は美しい声で、皆は聞き惚れていた。
これはユンファの母が有名な歌手だから。
と思いきや、そんなレベルじゃなかったと後でわかる。

彼方のアストラ第3巻

第3巻の惑星は水の惑星アリスペード。
実質的な主役はルカとウルガーだった。

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冒頭の1話分は地球の両親達がアリエス達の捜索を諦める相談をしていた。
アリエスの母だけが感情的に失踪宣告に反対していた。
他の両親は受け入れたのかなって印象の淡泊な様子だったけど、これも伏線。

ザックの父ウォーカーとキトリーの母オリーヴは、
再婚すると疑われてた程に仲良さげに頻繁に会ってたらしい。
ウォーカーは子ども達が結婚する可能性はあると軽口を叩くけど、
オリーヴはそれは絶対にないと意味深発言していた。
なので、実はザックとキトリーは血が繋がってるのかなと思ってた。

本編では、水だらけの惑星の小島で魚を釣ってバカンスを楽しんでいた。
地球側のシリアスさとの落差で笑った。

アリエスにカナタに告白するようけしかけたり。
キトリーはザックを以前にも増して意識するようになってたり。
少年マンガや少女マンガでありがちなエピソードだけど、自然に描かれてた。
2つの惑星でサバイバルを成功させたのと、
リゾートのような小島でバカンス気分で浮かれていたのと、
キャラの心情変化として違和感がないので。

主役のルカとウルガーは釣りや弓の調整のせいか、打ち解けていた。
と思ったら、ルカの父はウルガーが憎んでいた政治家だった。
それでウルガーは隠し持ってた銃でルカを殺そうとした。
ルカは自分は実の子ではなく養子で、
しかも半陰陽なので父の跡継ぎとして期待されてないと打ち明け、
ウルガーは自分と同じ親から見捨てられている立場だったと知って慟哭していた。
ここでウルガーの兄がヤバイ情報を知ったせいで殺されたとわかる。
この兄、ただの設定で回想で終わりかと思ったら違った。

ウルガーの誤解が解けると、急に津波が襲ってきた。
アリスペードは頻繁に津波が発生する惑星なので、
海洋生物と鳥しか進化できなかったとわかる。
ここで津波を見て呆然とするアリエスをシャルスが船内に誘導してた。
一見ただのイケメンキャラとしか思えないシーンだけど、これも伏線だったんだね。

ルカとウルガーが津波に巻き込まれてしまうけど、
そこはカナタの腕力で救出していた。
ここで少年時代に担任の先生の手を支えられずに崖から落とした設定が活きていた。

津波後の船内では皆がお風呂に入ってたのだけど、
ルカはラフなシャツを着るようになってた。
読み返すと、これ以前のシーンではベストを着て胸の膨らみを目立たなくさせてる。
でも知ってて見れば貧乳と言える程度には胸があるとわかる。
「オイラ」呼びなので女の子っぽいけど男かと思ってた。

後半はアリスペードを去って船内生活20日目。
シャルスが生物の授業を取ってたと迂闊にも話してしまって、
映像記憶力のあるアリエスに嘘だと見抜かれてしまう。
アリエスも同じ生物の授業を取ってたので、同じ授業に出た人は全員覚えていた。
それでキャンプ出発直前に転校してきたシャルスは刺客と疑われた。
とは言え、訳あり風だった。
この言い訳がそれっぽい話なんだよねえ。
私としては誰が刺客だったら最も意外かと考えて、この時点ではアリエスを疑ってたw

シャルスは元貴族で平民になってた。
幼馴染みのセイラを王政区に誘って遊んでたら、
憲兵に見つかってセイラは王城から突き落とされてしまった。
命は助かったものの、セイラは意識不明のまま寝たきりとなった。
セイラの家族はシャルスに告げずにいなくなった。
シャルスは貴族の暮らしが嫌になって遠縁の親戚の養子となり、転校してきた。
というのが、シャルスの生い立ちの話だった。
これらは一部は真実を混ぜてるけど、基本は嘘。
でも初見では真実だと思ってたな。
で、シャルスがアリエスを気にかけてたのは、セイラに似てたから。
それでキトリーは三角関係の予感とにんまり笑ってたw
三角関係ってのもラブコメの定番のネタだし、
シャルスはそういうコミックリリーフ的な脇役かと思ってた。
でもこれも伏線だった。

後半1/3くらいは第4惑星のイクリスの話の前半部。

イクリスは常に中心星に同じ面を向けている、
公転周期と自転周期が同期している惑星だった。
それで人が降りれるのは恒星側とその反対側との境界の「ベルト地帯」だった。
こういう惑星は現実の宇宙科学でもありがちな惑星で、
例えば地球から約20光年のグリーゼ581cという同じような惑星が見つかってる。

イクリスには船体を丸呑みできる程の巨大捕食植物がいた。
触れると電撃を喰らう種子とかもあった。
それで船体は植物に捕まりかけて辛くも脱出するけど、
その際に姿勢制御システムが破損。
そして突風に煽られて崖に激突。

宇宙船は宇宙航行はできなくなってしまった。

これが第4巻から急転するって奴かと納得。
でもそれは違う意味だった。
ただ、ここから本格的なサバイバル生活になるのかなって予想は外れた。
キトリーが本気で帰還できないと泣き喚いてたり、悲愴感は割とあったんだけどね。
あと、人工冬眠装置で1人だけは生存の可能性に賭けられるとかも。
もちろんキトリーはそんなの選ばず、皆とサバイバルする方を選んだ。

でも最後のシーンは何と、壊れた宇宙船とそっくり同じ宇宙船を発見してた。
ここまで、やっぱりテストの一環としてサバイバルさせてたのかなと。
そうじゃないと都合よく代替宇宙船が見つかるか?と思ってた。
なぜ宇宙船があったのかは、地球の本当の歴史が関わっていた。

彼方のアストラ第4巻

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冒頭はもう1つの廃棄宇宙船の話で、内部から人工冬眠していた女性が発見されてた。
自分らも取り残されてるのに、安易に冬眠を解除してもいいのかとw
実際、中の人は救助隊が来たと勘違いして泣きじゃくってたし。

女性はポリーナというロシア人だった。
調査隊か何かでイクリスに降りて、他のメンバーは捕食植物に襲われたらしい。
それでポリーナは人工冬眠に賭けたと。
しかしカナタ達も遭難して帰れなくなっていたと知ってショックを受けてたw
そりゃそうだろとw

助けて良かったのかとか、ぬか喜びさせてどうすんだよとか思ってたら、
宇宙航行できない問題は、もう1つの船の機関部とのドッキングであっさり解決。
これもアリエスのアイディアだった。
第3巻ラストの悲愴感は何だったんだとw

キトリーとフニがよく似ているとポリーナに言われて、
実は本当の姉妹でフニを知人に預けたんじゃないかと私も疑ってた。
それでDNA検査をしてみたら、何と同一人物だった。
ここで何となく物語のカラクリが見えてきたんだよね。
今まで何度もメンバーの共通点を疑問視するカナタの内話が出てたし。

カナタは親父に言われた「大事な体にケガさせられるか」
という言葉を思い出して、その真意を察してた。
ここでもカナタは意外に頭いいとわかるんだよね。

ここでカナタとザックが「全員が親のクローン」という仮説を打ち明けた。
人間のクローンは重罪らしい。
しかしカナタ達の親は若返りの研究の一環としてクローンを極秘製造していた。
そしてクローンに自分の記憶を移植する。
記憶の移植はDNAが同一じゃないと不可能らしい。
でもそのクローンは「この自分」じゃないよね。
それはあくまでも自分の記憶をコピーした「この自分」とは異なる個体のはず。
これと似たようなショートショートを星新一が書いてたっけ。

カナタ達が宇宙の彼方に放り出されたのは、クローンを始末する為。
法改正で「ゲノム管理法」が成立し、親たちに捜査の手が伸びていたらしい。
そこで証拠隠滅を企んだと。
このような手法を選んだのは緊急事態だったせいと
たまたま宇宙の彼方に飛ばせる装置を手に入れたから利用しただけ。
そうじゃなかったら単に捕まってたのかもね。

真相にショックを受けたみんなにカナタは
「俺たちが家族だ」と「自分になるんだ」と訴えてた。
この後はカナタが1人ずつ心情を聞いたり
ザックが突如婚約発表したりして盛り上がっていた。
地球に戻る不安を吹き飛ばそうとするかのようなハイテンションだった。

最後は2千光年もの先にある惑星を見れる望遠鏡で地球を確認していた。
しかしポリーナ視点ではそれは地球ではなかった。
ここで一同は「チキュウって何だ?」と怪訝な態度になってた。
カナタ達は何と「惑星アストラ」に帰ろうとしていた。
ここでタイトル回収。
これは完全に予想外でいい意味で裏切られた。
読み返すと、ここまで一度も「地球」という単語を使ってないんだよね。

彼方のアストラ第5巻

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最終巻はまずポリーナの知識とカナタ達の知識を比べてた。
1962年までの歴史は地球とアストラの歴史は一致していた。
国の場所とかも概ね一致していた。
ところが、1962年に第三次世界大戦が起きたという点が異なっていた。
それはキューバ危機と同じで、地球は核戦争を回避したけど、
アストラの歴史はソビエトが核をぶち込んで核戦争になったと。
この辺では世界線が違うとかパラレルワールドかなと思ってた。

ポリーナの歴史では2067年に巨大隕石が衝突していた。
人類はワームホールを発明してアストラに脱出していた。
カナタ達が初めに飛ばされた氷の惑星こそが地球だった。
隕石衝突で粉塵が地球を覆い、気温が低下したと。
ワームホールは元は地球とアストラを繋ぐ物。
なのでカナタ達はワームホールに吸われて地球上空に出ていた。
この辺の伏線回収は久々にカタルシスを感じた。

中間は最後の中継惑星ガレム。
発光生物が多い惑星だった。
この設定は洞窟内を明るく照らす為の物だと思う。

カナタはここで再びワームホールに襲われた。
しかしアリエスと合流するとワームホールは消えた。
単に1人ずつ襲う腹なのかと思ったら、そうではなかった。
アリエスと合流したってのが重要とは気付かなかった。

実はカナタは刺客が誰かわかっていた。
ウルガーを罠にかけてワームホールを出させて確証を掴もうとしていた。
ここでウルガーをハメる囮としてシャルスが同行。
初めはシャルスを怪しいと思ったけど、
生物学の知識で皆を助けてきたので、
私はシャルスを怪しいとは思わなくなってた。

ところが真犯人は何とシャルスだった。

根拠は最初にワームホールに飲まれた時に
最後に飲まれた人物がワームホール装置を持ってるはずだったから。
これは映像記憶力があるアリエスが克明に覚えていた。
第1巻のワームホールのシーンが伏線とは、これも驚いた。
読み直すと確かにシャルスが最後に描かれていた。

シャルスはヴィクシア王のクローンだった。
幼い頃から王の肉体となれと聞かされて育ったと。
ゲノム管理法でクローンを処分する事になり、
他のクローンと一緒に自分も宇宙の彼方へ廃棄しようとした。
ザックは王の言いなりになるのを理解できないと怒るけど、私も理解できない……。
王政区は温情から存在を認められているような物と思ってたし。
この世界の警察にでもたれ込めば簡単に王は捕まるはず。
シャルスは無罪になるんじゃないの、と。
実際、ザックはクローンは保護されると言ってるし。
まあ後日、軽い洗脳状態だったと認定されるけどね。

シャルスは襲撃を中止した理由も明かした。
それはアリエスがセイラ王女のクローンだったから。
セイラ王女は自分のクローンを侍女エマに委ねて逃がしたらしい。
その後セイラは反王制派に暗殺された。
どうもセイラの後追い自殺がシャルスの真の動機かなって印象だった。
「王のお役に立てる」ってのは表向きの理由に過ぎないと思う。
そうでないならアリエスを連れ帰ろうとは思わんでしょ。
読み返すとセイラの面影を重ねてるような接し方にも見える。

追い込まれたシャルスはワームホールで自殺しようとするけど
カナタがワームホールを重力シューズで飛び越えて庇った。
その際に右腕をワームホールに吸われてしまい、右腕切断の重傷となる。
この辺のカナタの行動はイミフ……。
シャルスが装置で操っていると知ってて、
ワームホールに右手を出して制しようとしていた。
それよりもシャルスに装置を停止しろと訴える方が自然なような……。
シャルスと前に約束した通り「カナタの右腕になれ」と
伏線回収する為の作劇の都合だけで作ったシーンかと。

シャルスは歴史の真相を王から聞いて知ってた。
王家は代々、歴史の真相を語り継いでたらしい。
これはたぶん極秘裏に行っていた事。
アストラの政府は地球移住の歴史を抹殺するつもりだったのだからね。
それは地球からアストラに移住した直後に世界大戦が起きた事と
その戦争で人口が半減し、国と宗教を全否定した世界政府ができた事、
その後ワームホール技術を封印した事。
ヴィクス王政府だけはその技術を秘匿していた事。
辻褄を合わせるのにアストラの歴史を100年分誤魔化していた事。
この100年分の辻褄合わせは予想つかなかった。

そしてカナタ達は無事にアストラに帰還。
メールで親たちの悪事を告発し、ヴィクシア王も逮捕。
入れ替わりにシャルスが新王となり、何と王家の秘密を公開。
歴史の真相やカナタの親たちを告発するにはワームホールの存在も明かしたはず。
でもこの技術は封印するなり歴史の闇に屠るべきだよね。
ワームホールの技術があるとわかると悪用する奴が必ず出てくるでしょ。
でもそんな不穏な気配は全くない結末だった。

最後にカナタは宣言通りに自分の船を持ってた。
それは帰還に使ったアストラ号を改修したもの。
約束通りザックも宇宙探検に同行し、シャルスもカナタの右腕となった。

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