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戦争は女の顔をしていない第1巻あらすじと感想

ブックウォーカーで戦争は女の顔をしていない第1~3巻無料配信していたのを読んだ。

戦争は女の顔をしていない 1

5月16日までに0円購入すると無期限で閲覧可能。
権利者にちゃんと金も支払われるらしい。
無料化はおそらくウクライナ戦争が関係してるでしょうね。

元は1985年に出版されたノンフィクションだけど、未読。
てか存在自体知らなかった。
第2次世界大戦のソ連の女性兵士500人超にインタビューした証言集で、
ソ連当局は兵士や戦争を賞賛する内容じゃないので出版を認めなかった。
ペレストロイカで出版できるようになったらしい。

1人1話のオムニバス形式だから、
どのエピソードを順不同で読んでもかまわない。
基本的にどのエピソードも悲惨な話。
これが創作だとお涙ちょうだいと受け取るけど、
ノンフィクションなのでシリアスに受け取ってしまうし、
どのエピソードでもどうも泣いてしまう。
文章だと想像が必要で、私はそういうのは苦手……。
マンガだと描かれてるのを読めばいいので感情移入しやすいのもある。

第1話は従軍洗濯隊の話で、他に比べると悲惨さは薄い。
ただ手もみで洗うんで爪が剥がれたり、
重い荷物となるので脱腸になったりしてる。
元は野戦病院の衛生兵だったらしい。
命令で洗濯部隊を率いることになった。
うち1人ワーリャが兵士の子を妊娠してた。
ワーリャは除隊となった。
中絶をしたのかは描かれてない。
ソ連は世界初の中絶合法国だからしたはず。
ただ中絶を嫌な経験にするために、わざと麻酔なしだったらしい。

移動時に偶然、ドイツの負傷兵2人を捕虜にした。
銃を持ってたけど撃たなかった(撃てなかった)みたい。
戦後に表彰されることになったけど、代表して2人だけ。
みんなを表彰するよう抗議したらしい。
明日までに表彰リストを作れば表彰者を増やすことになった。
みんなを表彰してほしいので夜通しリスト作りをした。
戦争が終わって、放棄されたドイツのミシン工場のミシンを洗濯兵にあげた。
何も与えないわけにはいかなかった。

第2話は軍医の話。
夫婦で参戦していたらしい。
空襲から避難する際、おばさんがずっとお辞儀をしていた。
1人1人に無事を祈っていた。
兵士はみな涙ぐんでいた。

ドイツの村を通ると、住民がコーヒー飲んでた。
まるで戦争なんかしてないかのように。
その落差に唖然としたらしい。

ドイツ軍捕虜にパンをあげたことがあった。
ソ連兵はそれを貶した。
とはいえ、その兵士は自分のパンにおかゆもつけて与えた。
私達を貶してたくせに、自分はそれ以上に与える人情があった。
いまウクライナに侵略中のロシア軍とはえらい違う印象……。

ある日、進軍中の夫が砲撃で死んだ。
本来ならその場に埋葬する。
夫の遺体をベラルーシに連れ帰ることにした。
当然、どの上官も拒否した。
総指揮官ロコソフスキーに訴えたものの、拒否された。
2度目の面会で子どもがいないと訴えた。
家も燃えた。
写真も残ってない。
何もない。
祖国へ連れ帰れば墓が残る。
私の帰る場所ができる。
私の恋を葬ると訴えた。
でなければ、ここで死ぬと泣いた。
ロコソフスキーは訴えを認め、飛行機を出した。

第3話は作者が初めてインタビューをした人らしい。
このエピソードは2話分で前後編。
狙撃兵だった。
初めての殺人で体が震えた。
民家に捕虜か負傷兵の焼死体が多数あった。
みんなは嫌がって通りすぎた。
軍服の星印が落ちてた。
つまりソ連兵だった。
それを見てからは、ドイツ兵をいくら殺しても哀れみはなくなった。

ある日、ドイツの将校が捕まった。
並の兵士の命中率じゃないと驚いてた。
その兵士に会わせてくれと訴えた。
サーシャという、これも女の狙撃兵だった。
すでに敵の狙撃兵に殺されてた。
赤いマフラーを巻いてたので目立ったらしい。
女の狙撃兵と知って将校は長いこと黙ってた。
移送される前に狙撃兵がみんな女と知った。
それでも理解できないと困惑してた。
みな美人で、なぜ戦うのかと。
あとのエピソードでわかるけど、
ソ連当局も女の参戦を渋ってた。
でも熱意に折れた。
祖国を守りたかったからでしょ。

進軍が早すぎて補給がおいついてなかった。
この当時は攻勢限界って概念はなかったんだっけ。
食糧隊も砲撃された。
中立地帯に子馬がいた。
狙撃するよう仲間の兵が訴えた。
ドイツ側もざわついてた。
子馬を殺すと相方が泣いた。
(狙撃兵はツーマンセルだから相方がいる)
同情するのはドイツ軍を追い返してからにしてと怒った。
その日は肉入りのスープだった。
思わず逃げ出したらしい。
仲間が連れ戻して慰めた。
肉を食べるのは久しぶり。
泣いて食べてた。

女兵士どうしで戦後に結婚する話をしてた。
男の兵士は君らとは結婚しないだろう。
皿なんか投げられたら命取りとからかった。
あとでわかるけど、故郷に戻っても縁談はなかったらしい。
負傷で片耳が聞こえなくなってた。
母は負傷して不具になるくらいなら殺してと祈ってたらしい。
普通の生活に戻るのに時間がかかった。
近所の採掘場の発破に音で逃げようとした。
スカートを履くと足がもつれる。
将校に敬礼してしまう。
パンを買うのに金を払うのを忘れる。
故郷に帰るのにヒッチハイクしたらしい。
当局が車を用意したりしないんですかね……。
通りかかったトラックの運転手は
小学校(共産少年同盟)で面倒を見てた下級生だったらしい。
お互いに気付いて泣いてた。

負傷した師団長を助けようとした女兵士がいた。
間に合わず、砲撃を喰らって師団長は死んだ。
その兵士も両腕がぐちゃぐちゃになった。
私を撃ち殺してと頼んだらしい。
後方の病院へ送られた。
戦後になっても行方知れず。
各地の病院や身障者施設を転々としてた。
母にも仲間にも自分を知らせなかった。
居場所を突き止めて戦友会に連れ出した。
母親にも連絡した。
30年ぶりの再会でみんな泣いてた。

小娘なのに戦場へ行った。
10センチも伸びてた。
取材後、ぎこちなく抱きしめられた。
ごめんよ……と謝られたらしい。
辛い話を聞かせてごめんという意味?
よくわからない……。

第4話は衛生兵の話。
戦争が始まって徴兵司令部へ行ったけど、断られた。
村を通る退却中の部隊に勝手に紛れ込んだ。
スターリングラードの高台をめぐって戦った。
ドイツ軍は退いた。
砲兵中尉が負傷して倒れてた。
仲間の衛生兵は助けようとして狙撃された。
シェパードも殺された。
帽子を捨てて、両手を上げ、歌いながら歩いた。
敵も味方も静まりかえった。
中尉をソリに乗せて引き替えした。
撃つなら頭を撃ってと祈った。
誰も撃たなかった。
女だとわかったからでしょうね。

自分は48キロしかないのに、
80キロくらいの荷物を背負って歩いた。
負傷者も背負った。
今では信じられないらしい。

爆撃から逃げて負傷者を見捨てた。
でも衛生袋を下げている自分に気付いた。
引き返して負傷兵の手当てをした。
戦闘は夜中に終わった。
朝になり雪が降った。
死体は雪に覆われた。
その多くが空に手を上げてた。
幸せとはなにか聞かれたらこう答える。
殺された人の中に生存者が見つかる事。

第5話は砲兵の話。
内容は砲兵よりも生理の話が中心だった。
この話が一番印象的だった。

戦争に行きたがるのは異常。
女じゃない。
何かが欠けてると誹られたらしい。
戦争が始まってもしばらくは普通に暮らしてた。
隣の人の夫が負傷し、野戦病院にいる手紙をもらった。
片手を失った人、片足を失った人が戻ってきた。
国を愛するよう、国を誇りに思うよう教育を受けた。
自分を戦地に送るよう手紙を書いた。

初めは男と同じよう髪を刈り込んだ。
しばらくして化粧をしたり、砂糖で前髪を固めた。
長い行軍で草むらで足を拭いた。
軍は女の月のものに配慮しない。
血はそのまま垂れ流し。
だから血塗れの足を拭く必要があった。
中年の曹長は事情を察して余分な下着を取るのを見逃した。
若い曹長は見逃さなかった。
わかってなかったから?
そういうときは下着の袖を破って使った。

ちょっと戦ったら逃げ出すさとバカにされた。
男に劣らないと証明しようとした。
でも行軍中に血が垂れるのはどうしようもなかった。
ズボンは血塗れだった。
歩く跡に血の染みができた。
血が乾いてガラスのように鋭くなる。
そこがすれて傷ができる。
いつも血の臭いがした。
軍は何もくれなかった。
兵士のシャツを盗んで使った。
兵士も察して黙認してたらしい。
渡河点で爆撃を受けた。
他の兵士は逃げた。
女兵士は川へ向かった。
一刻も早く血を流したかった。
何人かの女兵士は水の中で死んだ。
戦後に街に戻っても勝利が信じられなかったらしい。
自分の方が死んでもおかしくなかったからでしょうね。

若い娘なのに泥の中で死にたくないと思ってた。
森の中に一面の花(待雪草)を見つけた。
こんな花の中で死にたいと思った。
一度だけ死について話したことがあった。
みんなこの言葉を口にするのを怖がってたから、一度きりだったらしい。

第6話は航空兵の話。
この話も他と比べると悲惨さは薄い。
1936年、子ども向けの航空ショーがあった。
飛行機乗りになろうというスローガンが流行った。
飛行クラブに入った。
父は飛行士になるのに反対した。
飛行クラブ責任者が父を乗せて飛んだ。
父は反対しなくなった。
戦争前に娘を産んだ。
夫も飛行士で、航空兵として出陣した。
1941年、夫の戦死公報が出た。
身内に娘を預けて自分も航空兵となった。
航空学校で髪を切るのを命じられた。
同期にリトヴァクという有名な女飛行士もいた。
歴史上、2人しかいないエースパイロットの1人らしい。
撃墜されて戦死説と、スイスで生存してる説がある。
リトヴァクは髪を切るのを嫌がった最後の1人だった。
女らしい服装も故郷へ返すよう命じられた。
最初の訓練で2人死んだ。
空中衝突っぽい。
みんなで土を掘って埋葬した。
犠牲者はもっと出ると言われた。
その後も死者は出たらしいけど、泣かなくなった。
他の航空兵は僚機パイロットが女と知って驚いたらしい。
この当時はお互いに顔が見える距離で撃ち合いしてたんだっけ。
女と知っても、砲兵と違って普通に歓迎されてたっぽい。

第7話は書記、従軍記者と機関士と射撃手の話。
戦後に死体写真を撮ったと言われた。
死の写真は撮りたくなかった。
兵士の笑顔や褒美の授与を撮った。
誰かが死ぬと、微笑んでいる写真を探すよう頼まれた。

1931年、ソ連初の女性機関士になった。
駅に着くと女の子が蒸気機関を走らせてると人気だったらしい。
ラジオでドイツの侵略を知った。
夫が車輌庫から戻って、息子を案じて泣いた。
母子は疎開した。
夫が戦ってるのにじっとしてられなかった。
特別輸送隊に志願した。
息子も一緒に国中を移動した。
息子は猫を見た事がなかった。
キエフの駅で猫を拾った。
息子は猫を抱いてキスしてた。
猫がいるから本物の家になったと言ってたらしい。
猫の話はちゃんと書くよう頼まれた。
敵機は機関車輌を狙う。
狙いは機関士を殺すこと。
暖房貨車に息子がいた。
停車させて息子を抱いて車輌の下に隠れた。
戦後、息子は医者になった。
どこにも遠出しない。
1日でも離れたら恐ろしいから。

最後に射撃兵の話。
ジャーナリストは死ぬのが怖いと聞きたがる。
私は違うことをいう。
一番恐ろしいのは男物のパンツを履いてたこと。
同じ土嚢に10人の女兵士がいた。
みんな男物のパンツを履いた。
祖国の為に死ぬつもりだった。
でも履いてるのは男物のパンツ。
滑稽なかっこうで死にたくないと思ったらしい。
ソ連の国境を越えてポーランドに入った。
そこで初めて女物のパンツとブラジャーを支給された。
作者はこの話に泣いたらしい。
泣いた理由がよくわからない。
これで女らしく死ねると安堵したのを言外に感じたから?
ジョークを言ってる様子じゃないんだよね。
あとでわかるけど、取材対象者は作者を自分の娘のように接してたらしい。
自分の祖母の話を聞いてるように感じたのかもしれない。

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