ヒストリエ第11巻 パウサニアスとオリュンピアス

ヒストリエ第11巻の内容は、パウサニアスというアレクサンドロスそっくりの男が主人公で、オリュンピアスが暗殺されかける途中までだった。

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前半がパウサニアスの回想で、時間軸はエウネメスがマケドニアに来る前から。

オレスティスの息子

パウサニアスは元は西方地方オレスティスの領主の息子
ただし史実のパウサニアスの出自は不明。
しかもフィリッポスを暗殺してる。

フィリッポスが西のイリュリア王バルデュリスに勝ってしまい、オレスティス領主も死んだ。
これは史実らしい。

パウサニアスは豪族としての地位を失った。
パウサニアスの兄はバルデュリスの娘アウダタと結婚するはずだったけど、これも失った。
この兄は名前が無いキャラで、ただの小物。
史実のパウサニアスに兄がいたかは不明。

フィリッポスはまだ24歳と表記されてるけど、
この当時は既に中年くらいじゃないのかなと……。
世界中で12歳くらいで大人扱いだったはずで、今の感覚で言うと30歳くらいだろうなと思う。

マケドニアは敗戦続きで亡国の危機にあったけど、
フィリッポスの様々な改革で一気に盛り返したらしい。

バルデュリスの支配地域の豪族はこぞってフィリッポスの陣門に下った。
そしてアウダタもフィリッポスの第2王妃となった
フィリッポスの第2王妃アウダタがイリュリア王の娘ってのは史実。

一方、パウサニアス達はマケドニアの首都ペラに住む事になった。
オレスティスの豪族オロンテスの元に居候してたらしい。
オロンテスも実在のマケドニア貴族らしい。

ある日、フィリッポスが右目に矢が当たり重傷を負って帰還。
その報を聞いたオロンテスは命に別状はないと知って安堵していた。
ところが、パウサニアスの兄は「ちっ、命は無事か」と呟いてしまう
オロンテスはフィリッポスの歓心を買うべく、
息子を先代のマケドニア王と同じペルティッカスと改名する程だったので
この失言で、パウサニアス兄弟は家を追い出された。

その数年後、オリュンピアとフィリッポスの息子であるアレキサンドロスが生まれた。
パウサニアスの兄はアレキサンドロスとパウサニアスがそっくりと気付いた。
そして、マケドニアを乗っ取る計画を思いついた。

パウサニアスは王の護衛兵に志願した。
その為に、アンテアスという男が口利きをした。
アンテアスは単にパウサニアスを犯したくて引き受けた。

更に数年後、パウサニアスは護衛兵になれた。
しかし、肉体関係は続いていた。
アンテアスの息子はそれを汚物を見るような目で見ていた。
で、屈強な召使いにパウサニアスを襲わせた。
でも、この当時なら同性愛はザラだったはずだし、少年を犯すのもザラだったはず。
嫌悪感とか持つ方が稀なんじゃ?って思ってしまう。

パウサニアスは護衛兵になれた「支払い」と思って暴行に耐えた。
しかし、腕を折られそうになって逆襲。
喧嘩を売られて勢い余って相手を殺すくらいが護衛兵としては相応しいと、考えを変えた。
この一件で、どうやらアンテアスとの関係も切れたっぽい。

パウサニアスはアレキサンドロスそっくりなので、必然的にフィリッポスの目に留まった。
そのお陰なのか、王のライオン狩りに同行する事になった。

ライオン狩り

ライオン狩りは、フィリッポスに向かってきたのをパウサニアスが庇った。
その際、ライオンの顔が悲しみと怒りが合わさった表情に見えたらしい。
動物の気持ちを読める能力?
そしてパウサニアスは顔面を引っ掻かれて重傷を負った

パウサニアスの兄は顔面の傷に失望してた。
パウサニアスをやがてはアレキサンドロスの影武者にさせるつもりだった。
その上で、フィリッポスや重臣を殺し、マケドニアを乗っ取るつもりだった。
しかしパウサニアスの傷のせいで影武者計画は消えた。

パウサニアスの兄は「計画を話せばオレスティス出身者は必ず後ろ盾になる」と妄想していた。
もし話してたら密告されていただろうね。

兄は何らかの病に冒されていて、失望のせいかとうとう血を吐いて死んでしまった。
感染性ではないようだけど、吐血っぷりに結核を連想した。

ここまでがパウサニアスの物語。

エウリュディケ暗殺未遂

後半はエウリュディケ暗殺未遂から、首謀者のオリュンピア暗殺に至る。
ここで第10巻ラストと同じ時間軸になった。

オリュンピアはエウリュディケを殺して王の真意を見極めようとした
単にエウネメスからエウリュディケを取り上げるのが狙いなんだよね。
オリュンピアはそこまで察してなかった。

エウリュディケの侍女にエウネメスが助言して、暗殺は未遂に終わった。

エウネメスはこれを「王の左腕」から抜けるネタに使うつもりらしいけど、結果はまだ描かれてない。

エウメネスは王宮に呼ばれてた。
エウネメスが辞職したがってる噂がフィリッポスの耳に入ってた。
それで「エウリュディケとの子の教育をエウネメスに任せたい」と頼んでた。
フィリッポスとしては、エウネメスへのせめてもの贖罪ってか好意のつもりなんだよね。
もちろん、この発言はエウネメスの怒りに火を注いでしまった。
エウネメスは「最低だよ、あんた」と王を罵った。
更に懐から短剣を出したので、謀反だと騒ぎになった。

ナイフトリック

エウネメスは「私の首を刎ねる前に」と、事情を説明した。
ニカンドラというオリュンピアスの女官を調べろと上申した。
これを聞くだけで、フィリッポスは人払いをしてエウネメスと2人きりになって詳細を聞いた。
何か思う所があったんだろうね。

エウネメスは犬を使って実験していた。
ポリュダマスからエウリュディケに届いた干し肉を食わせると、犬が死んだ。
死んだのは、持参した短剣で干し肉を削いで、2切れ目を喰わせた犬だった。
短剣の片側に毒を塗り、毒味役は無事で、2切れ目に毒が付着する仕掛けだった。
短剣は台所の肉削ぎナイフで、いつの間にかすり替えられていたらしい。
なので、もしエウリュディケが死んだら、毒味役かポリュダマスが疑われていた
この実験結果に、侍女は吐いてた。
エウリュディケは手を震わせつつも、私は負けないと強がっていた。
何となく、死亡フラグに感じる。

フィリッポスは前々からオリュンピアスを排除したがってた訳で、
エウネメスの情報は体のいい大義名分となった。
ただ、第11巻ラストまで、エウネメスがどうなったのかは描かれてない。
普通に考えれば、不敬罪として処刑済みのはず……でもそれだと物語が終わってしまうw

オリュンピアス暗殺

オリュンピアスはフィリッポスに呼ばれた。
そこにはニカンドラもいた。
ニカンドラは顔面を殴られまくって腫れてたし、左目からは血を流し、どうやら眼球が破裂してた
ニカンドラは「モロッシアがふるさとですが、ペラでの暮らしもすでに長く……」と意味のわからない事を言ってた。
ニカンドラはペラで結婚して家族がいるんだろうか?
エウネメスは「手荒な事はせずに」と念押ししてたので、
始めは穏当な取り調べをしてたのだろうけど、
それでも口を割らなかったので拷問したんだろうね。
眼球が破裂する程の拷問でも口を割らず、家族を殺す的な事を言われ、とうとう口を割ったと……。

オリュンピアスは、素性がわからない人物を使うべきだったね。
ペラに長く済んでいる侍女を使うのは失策だったかと。
そして用が済んだら謀殺するなり、マケドニアから逃がせばバレなかった。

オリュンピアスは故郷へ帰るようフィリッポスに勧められた。
事実上の追放となった。
表向きは故郷に帰るという体で、早々に旅立ったようで、
オリュンピアスは手回しが良すぎると感じていた。
たぶん、暗殺計画は既にあって、後はきっかけ待ちだったんでしょうね。

暗殺者はパウサニアス

馬車の列はオレスティスとテュンファイアの境で止まった。
オリュンピアスは途中で殺すつもりと読んでいた。
案の定、護送兵の中にいた4人の暗殺者が次々に兵士と使用人を殺した

オリュンピアスはネオプトレモスという護衛を馭者として潜ませていた
第6巻で登場した、オリュンピアスの邸宅の護衛兵だった。
ネオプトレモスは強く、暗殺者を3人始末。
オリュンピアスも隙を突いて、見届け役の護送兵隊長を殺した。

残りの1人がパウサニアスだった。
パウサニアスは強く、ネオプトレモスと互角かパウサニアスがやや強い感じ。
2人の剣戟は、ネオプトレモスが勢いよく剣を振り、パウサニアスがいなしているように見える。
戦いの間、オリュンピアスは悠長にパウサニアスに出身を聞いてた。
パウサニアスも求めに応じて兜を脱いで素顔を見せた。
オリュンピアスはオレスティス出身と聞いて、何かに気付いたらしい。

暗殺に成功しても失敗しても、マケドニアに負けたオレスティスの豪族の息子が裏切った事にして口封じするんでしょうね。
パウサニアスは、その事が読めないバカとは思えないけど……。
史実としては、パウサニアスはフィリッポスを殺してるんで、
オリュンピアスに与してフィリッポスを殺すのかなと予想。

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