僕だけがいない街第6巻の感想と考察

第6巻を電子書籍で購入し読了。
第5巻ラストで、担任が真犯人だと白状し始めた続き。
「担任が犯人なら次巻でこのマンガは完結するかも」と書いたけど、まだ続いてますね。

全体の構成は、担任の悟への自白が前半1/3くらい。
中間は担任の生い立ち。
後半1/3は15年もの間、植物状態だった悟が目覚めた後のエピソード。

悟は担任が犯人だったという証拠や担任の発言を思い返して、
無意識的にその可能性を除外していたと悔やんでるけど、
担任に事故死に見せかけて車で溺死させられてしまった……。
誰かが都合よく救助するか、悟が車から脱出できる方法を咄嗟に思いつくかと思ってたけど、
時代は飛んで「現代(2003年)」に戻って、15年の植物状態から悟が目覚めるという予想外の展開でした。
リバイバルも全く起きずじまい。

中間は担任の生い立ちの話で、子供の頃の担任には兄がいたけど、これがかなり暴力的な男。
両親も担任自身も言いなりになっていた。
この兄は女の子を自宅に連れて性的なイタズラをしていたらしい。
はっきりとした描写はないのです。それを仄めかすだけ。
この兄は間違いなくサイコパスだけど、
担任も良心の呵責を感じずに兄の暴力があるとは言え協力しているのだから、御同類でしかない。
実際、大人になってからは「自分の中に兄がいる」と言って自覚してるし。

兄が女の子を窒息死させたことで、見張りをしてなかった担任に「なんてことをしてくれた」と言ったけど、
初め担任はこれを見張りしなかったことと思っていた。
けど「兄の言葉を取り違えていた」とも言ってる。
この述懐の意味の説明はないけど、
ハムスターの餌が無くなっていたこともわざわざ言及しているので、
これは兄がハムスターの餌を使って殺人の罪を担任になすりつけるつもりだったのかなと。

ここで担任は兄の頭上に「蜘蛛の糸」が下がっている幻覚を見てる。
これは芥川龍之介の蜘蛛の糸の話で、
カンダタが蜘蛛の糸を登って地獄から抜け出ようとした際に
同じ蜘蛛の糸を登ろうとした亡者どもを蹴落とそうとしたら、
お釈迦様がその糸をちょんぎってカンダタを地獄へ落としたという話と、
担任を見捨てようとしている人物を重ねて見ているってことかなと。

その後、担任は両親の離婚に伴ってよその街へ引っ越してる。
そして教員免許を取得して、なぜか自分が育った街に戻ってる。
この理由は説明がないけど、意味もなく戻るわけがないはず。
土地勘があるから、犯罪を隠匿しやすいとかかな。

あと心理カウンセラーの女性と付き合っていたけど、
同じ街で起きた女子生徒行方不明事件のことでアリバイを疑われてしまい、
ノイローゼによる自殺に見せかけて殺している。
この心理カウンセラーは、アリバイを疑う程度には頭がいいけど、
本当に担任が犯人だったらどういう行動に出るかを予測できていないバカってことになってしまう。
何となくキャラ設定に違和感が……迂闊すぎる。
このシーンで担任は、自分の頭上にも蜘蛛の糸がつながっていると気づいて、喜ぶように笑ってる。
これは自分の糸は切れていない=窮地を切り抜けたという、安堵からの幻覚かと。

担任のエピソードはここまでで、後半は悟が目覚めたあとの話。

悟は自分のリバイバル能力を忘れてる。
本来なら死んでいたはずの女の子をリバイバルで救ったことすら忘れてる。
車で溺死させられた際の記憶も無くなってる。
悟の友人の弁護士の息子は、悟が真犯人に見つかって始末させられそうになったと気づいてる。
ただし子どもの証言や推理なので、当時の大人たちは誰も受け合わなかったと。

悟は自分の記憶が戻らないことを「鍵のかかった扉」に例えているけど、
ラストシーンで元の世界でバイト仲間だった女子高生と再会した際に、
鍵が外れるカットが描かれているので、記憶が戻ったのかも。
となると、次巻こそが最終巻になるんじゃないかなと予想してます。

僕だけがいない街(6)<僕だけがいない街> (角川コミックス・エース)

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