「君の名は。Another side earth bound」は、君の名は。のスピンオフ小説。
4編の短編集で、それぞれ主人公が異なる。
Contents
「ブラジャーに関する一考察」は瀧視点で、三葉と入れ替わっている最中のエピソード
タイトルから言ってもコメディタッチ。
瀧が入れ替わった日の朝。
映画でもやってたっけ、瀧が自分の(三葉の)胸を揉んでたw
三葉のスマホのメッセージに「お風呂禁止」と書いてあった。
さすがに初日は入っただろうけど、以降は律儀に入らなかったらしい。
スマホに残ってた「女子更衣室に入ったら復讐する」ってメッセージがあって、
三葉になりすます為の練習で声に出してたら、妹に怪訝な目で見られていた。
これは似たようなシーンは映画にもあった。
登校時に「てっしー」と「さやか」と会って、髪をキチンと結ってないのを指摘されてる。
瀧は髪を雑に束ねただけ。
これってアニメでも描かれてたか覚えてない……。
クラスの女子に三葉(瀧)にも聞こえるように陰口言われて怒ってたけど、アニメだと机か椅子を蹴ったんだっけ。
ノベライズの方は女子の首を腕に巻いて脅してるw
アニメよりも粗暴感が強い。
瀧は入れ替わりで三葉の印象が真逆と気付いてた。
本来の三葉はやったことの無いバイトをやりこなしてる活動派。
でも糸守では大人しい女の子と見られていた。
それは神社の跡取り娘なので隙を見せると陰口たたかれるから、そうなったらしい。
と言うことは、案外三葉は入れ替わりをエンジョイしてたんでしょうね。
瀧は糸守で三葉が周囲から抑圧を受けて育っていると察してた。
四葉に「君のお姉ちゃんは大丈夫かな」と言ってしまい、四葉に怪訝に思われてしまったw
「スクラップ・アンド・ビルド」はてっしー視点で見た三葉
三葉の入れ替わりを「狐憑き」と見てたらしい。
てっしーは、三葉と早矢香が糸守の田舎っぷりを嘆いてたのを苦々しく思ってた。
てっしーは建設会社の跡取りとして期待を背負ってた。
なので、糸守で生きていく事は確定だった。
本当は糸守から出たい気持ちもあった様子。
一方、糸守を爆破したいとも思ってたらしいw
てっしーは糸守を少しでも変えようと、カフェテラスを作ろうとした。
それは三葉達がカフェテラスで紅茶を飲みたがっていたから。
この時は瀧が入れ替わってたので、瀧はカフェテラス作りに乗り気だった。
瀧は糸守の自然を褒めていた。
それを聞いたてっしーは、三葉の本音だと思って好感を持った。
三葉なら自分の本音を言ってもいいと思ったらしい。
だから、アニメ本編で三葉の彗星の話を聞き入れて発電所を爆破したんですね。
「アースバウンド」は四葉が入れ替わる
四葉は三葉がおかしくなった理由を考えて、ことごとく外れていたw
これもコメディタッチな外伝。
三葉のアイスクリームを勝手に食ったせいとか、
男とつきあい始めたと勘違いしたり。
それから胸が小さいのを気にしてると思って、胸が大きくなる料理を作ってた。
それを三葉に咎められ「詳しく」話したらしい。
で、三葉は瀧が入れ替わりの間に三葉の胸を揉んでいたと知る。
最後は四葉が踊りを習ってたら「入れ替わり」が起きた。
それは口噛み酒を飲んでしまったのが原因。
入れ替わり相手は1000年前の宮水の誰か。
そこで四葉は本来の踊りを覚えてた。
意識が現代の四葉に戻ると、四葉の踊りを見て祖母が驚いていた。
祖母の祖母はそういう踊りをしていたと。
祖母はその踊りを忘れてしまっていた。
踊りが変化した原因は200年前の失火?
四葉が本来の踊りを復興させた事になる。
これも後述の二葉が言う「あるべきようになる」かもしれない。
「あなたが結んだもの」は、三葉の父(俊樹)視点だけど、二葉との出会いが描かれていた
初めに瀧と入れ替わっている三葉が、みんなを避難させるよう役場に押しかけてた。
この時の俊樹は一目見て「お前は誰だ」と思ったらしい。
三葉じゃないと。
ここで二葉との出会いの長い回想。
本来は民俗学者で各地の神社を調査していた。
宮水の信仰は1000年前に入れ替わったと推測していた。
この辺、本当に存在する神道の概念を織り交ぜてたので、正直意味がわからなかったw
検索してわかったけど。
宮水は倭文神(しとりのかみ)を信仰してた。
倭文神は機織りの神で、今の宮水は組紐を作ってるけど、昔は機織りをしてたらしい。
それが組紐に変わる出来事があったはずだと。
また、200年前に祝詞が出雲系に変わった。
倭文神は天津系なのに出雲系になっても違和感がなかったので継承した理由もあるはずと。
つまりそれ以前の祝詞も出雲系に似た祝詞だったと推測される。
天津系は星神信仰で、その信仰が裏切られる出来事が1000年前にあったと。
それが隕石の落下だった。
二葉は俊樹を一目見て、この人と結婚すると思ったらしい。
それで俊樹も宮水に通うようになり、民俗学者の地位を捨てて神主となった。
二葉は糸守の住人から神様のように思われていたらしい。
なぜなら二葉の直感的なアドバイスはことごとく正しかったから。
また二葉は「あるべきようになる」と口癖のように言ってたらしい。
祖母すら「二葉が言うならそうなんだろう」と認めるほど。
その後、三葉と四葉が産まれた。
二葉は、四葉がまだ幼い時に「免疫が暴走する病気」で死んだ。
二葉はなぜか治療を拒んだらしい。
そして「あるべきようになる」と言い残した。
俊樹はこれを糸守の因習と考えた。
因習のせいでろくに治療を受けずに二葉は死んだと憤った。
そして因習をぶっ壊そうと町長選に立候補して当選した。
糸守に近代的な考え方を導入するのが狙いだったけど、
一種の「やり場のない復讐心」の発露って感じ。
そして回想が終わると、祖母と四葉が三葉の頼みを聞くように訴えに役場に来た。
特に祖母が役場に来ることは異例だった。
その後、瀧との入れ替わりが戻った三葉本人が役場に来て、彗星の落下を訴えた。
俊樹は糸守湖を隕石の落下でできたと勘違いしていた。
本当は彗星の破片だった。
そして窓から空を見上げると正に彗星の尾が見えた。
俊樹はこの時、1000年前に糸守湖が産まれた理由を悟った。
なので、俊樹は三葉の言い分を聞いて全町民を避難させたらしい。
俊樹にはそれができる権力があった。
俊樹が町長でなかったら、糸守全住人の避難はできなかったかもしれない。
二葉はこれを予期して俊樹が町長になるよう仕向けるかのように死んだ。
正に「あるべきようになった」。
他の3編は正直、キャラの掘り下げとしてはイマイチだった。
俊樹と二葉の掘り下げは面白かった。
俊樹が一転、三葉の言うことを聞いて住民を避難させたのが不可解だったんだよね。
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