ヒストリエ第10巻を読んだので、
第9巻の感想はどうだったか読み直そうと思ったら書いてなかったw
だいぶ前に書いたと思ってたんだけどねえ……。
なので読み直して感想を書いたけど、初見の感想ではないです。
ヒストリエ(9) (アフタヌーンコミックス) Kindle版
第9巻はフォーキオンを失脚させるエピソードから、
アテネ・テーベ連合軍とマケドニア軍が対峙する場面まで。
冒頭は蛮族との戦闘後にアッタロスに「手柄」を譲るシーンで、
これは一介の「書記官」が独断で指揮を執ってた事がバレると処刑されかねないから。
でもアンティパトロス宰相は把握してた様子。
「先の戦で大活躍」と表現してるので。
アンティパトロスとしても処刑するには惜しいのでしょうね。
アッタロスの命という体裁なら不問にできるので、
嘘を承知で乗っかっておこうという感じ。
中間はアンティパトロスの命でアテネの策士フォーキオンに接触。
これはフォーキオンにマケドニア関係者が接触したと思わせ、
アテネ市民の不審感を煽るのが狙い。
フォーキオンも意図を察してたようだけど、
さる「友人」の頼みでエウネメスに会ってた。
この友人の助力がなかったらどうしてたのか興味津々だけどねえ。
フォーキオンとはアテネが置かれている状況を話しただけ。
これは状況の再確認程度の意味しかない。
エウネメスは「将棋」を贈ってたけど、
フォーキオンが何か贈り物を受け取るのは珍しいと評判になっていた。
この時、将棋の駒がマケドニアの兵士の姿だったので、
エウネメスの正体に気付いた様子だった。
「遊具」程度ならと気を許したようだけど、
この後、エウネメス一行がマケドニア人だとバレてしまい、
フォーキオンは首尾良く不審感を持たれたらしい。
フォーキオンとしては失策だったのだろうけど、
これはアンティパトロスの策で、
フォーキオンが戦争の采配をできないようにし、かつ生存させて、
戦争後のアテネを任せるのが狙いだった。
フォーキオンとしてはここまで察してたような気はする。
アンティパトロスとも知人なのかなって印象だし。
エウネメスの正体がバレたのは、
一行に混じってたアンティパトロスの手下の策。
アンティパトロスはどうもエウネメスを捨て駒にするつもりだった様子。
護衛の傭兵の雇い主はアンティパトロスなのだし、
第10巻でも彼にはどうという事はないと王に言い訳してたし、
殺すつもりはなかったのだろうけどねえ。
実際、あっさりアテネから脱出できていた。
エウネメスはすぐにマケドニアに戻らず、
近隣のピレウスに寄っていた。
これはフォーキオンに口添えした「メランティオス」に会う為。
その正体は、あの奴隷のカロンだった。
他の人物は史実に残ってるけど、さすがにカロンは実在ではないよねえ。
カロンはカルディア編までの脇役かと思って忘れてたので、意外だった。
カロンはアテネの近くで敢えて待ってたらしい。
エウネメスは子供の頃からずっとアテネに行きたいと話してたので。
それは実はエウメネスを「我が子」と思ってたから。
これも意外だった。
カロンも蛮族だからという程度かなと。
もちろん蛮族同士なので「我が子」と思えるのだろうけど。
最後はアテネ・テーベ連合とマケドニアが戦場で対峙するまでのエピソード。
アレキサンドロスはフォーキオンがいない事を嘆いていたけど、
「フォーキオンは失脚させた」とかの情報が入ってないのかな?って印象。
マケドニア軍は右翼が動いてアテネ左翼と衝突。
しかしすぐに撤退。
これをアテネ優勢と勘違いしたアテネ側が追撃。
これは陣形に「切れ目」を発生させる策。
ここまでの動きは史実どおり。
アテネ側が追撃したのは、斜線陣の定石だから。
斜線陣は通常左上がりの陣形だけど、
マケドニアの斜線陣は右上がりで逆。
これはアテネ側の主力を包囲殲滅する為の「釣り」。
アテネ側はそんな策に気付いてなかったし、
我々の方が斜線陣を熟知していると自惚れていた。
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