数ヶ月前に狼と香辛料の第14巻を買って少しずつ読んで読了した。
今回はロレンスとホロの仲がより親密になるけど、
ラストシーンでロレンスが事を急いてホロにぶん殴られてるｗ
エルサというキャラが再登場してる。
かなり前の話なので、もう内容は忘れていたけど、第4巻の登場キャラだった。
初めはロレンスとの曰くがある新キャラかと思ってたｗ
酒場の娘とホロのバトル(舌戦)は薄っすらと覚えていたけど、
やっぱりほとんど忘れていたので読み返した。
この娘はホロがロレンスの欠点を含めて可愛いと思ってることには気づいてない。
ロレンスの何がそんなに良いのだろうと興味本位でロレンスに粉をかけ続けている感じ。
ただしホロもロレンスの欠点を可愛いと思っていることなどおくびにも出さないけど。
でもこの舌戦は、ロレンスの天然ボケをきっかけに2人が笑い始め、
お互いの誤解に何となく気づいて終わってる。
ホロが笑ったのはロレンスのマヌケっぷりを愛でているからで、
娘が笑ったのは自分の誤解に気づいたから。
娘の笑いの意味に気づいて、ホロも娘が粉をかけていた理由に気づいて更に笑ったのだろうと思う。
エルサの旅の供の書籍商がロレンスに、
とある技術が書かれた「禁書」を相手がその価値に気づかないうちに買い取って転売しよう、
という儲け話を持ちかけるのが第14巻の軸。
でもロレンスとしては北の地と無関係なら断っていたと思う。
北の地の情勢が大きく変わるかもしれない重要な採掘技術か何かが載っているかもしれないので、
ホロの為に話に乗ったというのが動機。
ただ、金儲けに関わるとホロの故郷へ一緒に行く時間は無くなってしまうので、
ここでお別れとなるのを断腸の思いで決断してる。
ところが、ホロの故郷へ一緒に行けてかつ金儲けもできるというアイディアを思いつくのが物語の山。
そこまではずっと、まるで最終巻のような雰囲気が続くので、この巻がラストだっけと思いつつ読んでたｗ
何となく、連載打ち切りで終わらせる感じにも思えた。
ホロとしても惚れているロレンスと一緒に故郷へ帰りたいけど、
ロレンスに金儲けのチャンスを与えたいという理由もあるし、
ホロの故郷はロレンスの毎年の行商のルートの近くで、
別にこれで一生の別れという訳ではないのだから、
表面的にはあっさりと別れを受け入れるのだけど、
ロレンスはまるで一生の別れのように思って、
ホロと別れずに済む方法はないかと焦ってるのが面白いｗ
ロレンスはホロが既に「行きずりの旅の共」を超えた親愛さを感じていると気づいてないので、
ここで別れたら一生会えないと思ってる。
なのでロレンス視点だと最終巻みたいな感じになってる。
今回は前に(第5巻やアニメ版第2期ラスト)ホロを人質にして金を借りた奴隷商人に再び金を借りるけど、
ロレンスはなぜか奴隷商人に気に入られている(ように見える)。
奴隷商人としてはロレンスに商人としての利用価値を感じているだけだろうけど。
この奴隷商人との再会をきっかけにロレンスが金を借りる仲介をすることになってる。
海千山千の奴隷商人相手の取引なので失敗は破滅を意味する。
これもロレンスが迷う理由のひとつ。
敢えてホロとの旅を終えて賭ける意義を見出せないという。
でもホロはロレンスの背中を押そうとするので、
ロレンスはホロが自分をその程度にしか思って無かったのかと不安に思う様子も面白い。
ロレンスの不安はエルサが泣きながら、
2人がお互いに想っているのに、なぜ別れるのかと問い詰めることで解消ｗ
エルサもロレンスの様子から、ホロとロレンスが二度と会えないかのように勘違いしてる。
でも勘違いしてた結果、失意のロレンスに希望を見出させて、
ホロと別れずに金儲けできるアイディアを思いつかせ、
最終巻っぽい雰囲気だった物語は急転回する。
ロレンスはその交渉が成立したのとホロの故郷の地図が手に入り、
ホロと一緒に故郷へ行くことがいよいよ迫ったことで舞い上がったのか、
ホロを路地裏に連れ込んで町娘にするようにホロを抱きしめるのだけど、
ホロは「これ、やめんか」と嗜めても自分を放そうとしないロレンスを殴ってるｗ
殴るという描写はないけど、この後でロレンスの顔が腫れているので殴ったのは確実ｗ
ロレンスを殴ったホロがその後ニコニコしてたのは、
たぶんロレンスが積極的に自分への愛情を示したのが嬉しいというのも含むという印象。
ただし性急で「やりすぎ」だったｗ
ラストシーンで周りも(エルサすらも)、2人の雰囲気を察して、
たぶん巻き添えを食らわないようにと、もっともらしい用事を思いついて、
それとなく2人から去って行くのも面白いｗ
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