六花の勇者第3巻はゴルドフが活躍する話です。
個人的には探偵役のアドレットが謎解きをするのが好きなので、
テグネウのミスリードに気づかないアドレットがゴルドフの引き立て役になっちゃってるのは残念。
第3巻のミステリ要素は、ナッシェタニアの「聖具」でチャモが瀕死になり、
その聖具はナッシェタニアから1km以上離れると効力を失うので、
ナッシェタニアがどこに隠れているのかを突き止めることと、その隠れ方。
またテグネウの策としての「ドズーとテグネウとの関係」の真実を暴くこと。
これはゴルドフパートでテグネウが勝ち誇って自分からバラしてるので、推理とは全然関係ないです。
ただしドズーの言動や行動がちょっと変なので、ハンスやアドレットなら気づいたかも。
森を抜けた一行は、カーグウィッグが作った断崖で立ち往生。
そこでゴルドフは唐突に「姫を助ける」と言い出し、単独行動で溶岩地帯へ突っ走るけど、
アドレット達はその奇妙な行動から彼を7人目だと疑って、ゴルドフを殺そうとします。
しかしゴルドフはかなり強くて、アドレット、フレミー、ロロニアの3人がかりでも逃げおおせるほど。
ここでアドレット側とゴルドフ視点とに分かれます。
前半はアドレット視点でゴルドフを追い詰める話。
アドレット視点だと、ゴルドフが何をしようとしてるのかってこともミステリ要素と言えます。
しかし、アドレットには最後まで真相がわからずじまい。
後半は同じ展開をゴルドフ視点で描いてます。
ゴルドフ視点だと、仲間から離脱してるのでテグネウのミスリードを知らないことと、
ゴルドフの兜の力をゴルドフはわかっているので、
余計な情報に惑わされていない分、ゴルドフの方が真相を暴くのに有利だったという描写になってます。
ただの脳筋キャラかと思いきや、テグネウからその策を教えられたりアドレットより有利とはいえ、
彼が気づかない真相に気づくほどに頭が良かった、という意外性はありました。
最後はアドレットの聖者の釘をゴルドフが使うんですが、
この時までアドレットが真相に全くかすってもいないのが、主役キャラの魅力としてはどうかと……。
アドレットも真相に近づきつつあるけど、ゴルドフの方が一歩早かったという展開だったら良かったと思います。
(テグネウに騙されっぱなしなのはアドレットらしくないんですが、それはゴルドフの個人プレーが原因ではあります)
第3巻でも7人目は不明なまま。
凶魔を使って伝言が可能な人物となると、意外にチャモかなという気も。
テグネウはドズーがフレミーを殺さないよう、言葉の聖者の力で密約を結んだらしいけど、それはテグネウのフェイクだろうし。
フレミーが7人目だと、あまりにもそのまますぎるので……。
あと余談ですが、アドレットの回想が無いのも物足りなかったです。
第1巻や第2巻ではアドレットがアトロ・スパイカーの元で修行していた話や、
故郷が凶魔の支配下となった話などがあったんですが、第3巻では何もありません。
(代わりにゴルドフの生い立ちが語られています)

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