小説 狼と香辛料第5巻 感想

アニメではわからなかった心理が説明されてる。



冒頭の「レノスは毛皮の街」とロレンスが説明するくだりで、原作ではホロに「レノスへ行ったことがあるそうだが」と言ってるんで、ロレンスはこの時点で「ホロがレノスを知ってる」と気づいてる。
あとでロレンスがホロに肉の動物を当てる賭けを持ちかけるけど、アニメではホロがこの賭けで街のことを思い出すっていう流れになってる。
これはアニメの改変のほうが自然だと思う。
原作でホロは、「本当にレノスに来たことがあるのか覚えがない」と言ってるけどね。

ロレンスがホロを抱きしめる妄想をするくだりで、ロレンスが実行しなかったのは周りに商人がいるから控えたことになってる。
ホロは周りに商人がいるからロレンスが思い切った行動を取らないと読んで、意図的にロレンスを誘惑するような可愛い振る舞いをしてるっぽい。

ホロが寒い窓際の部屋を選んだのは、明るい部屋のほうが良かったからとロレンスが判断してる。
ホロ自身の判断かは不明なまま。

ロレンスがホロに「お前がこういうことをしなくなったら取り乱す」と答えたくだりは、ホロに構って欲しいと言ってるのと同じと気づいて、顔が赤くなったという解釈で合っていたみたい。

ホロがリゴロに「ホロという」と偉そうに自己紹介したのは、自分が修道女のふりをしている貴族の娘のように見えることを利用して、貴族の娘が庭園を見て感心したらリゴロが喜ぶだろうと判断したから。
ここアニメでは全然わからんかったな。

リゴロがホロを「訳ありの貴族の娘」と判断したのを踏まえ、ロレンスが昔の記録を知ろうとする動機を「ホロの故郷の手がかりを探している」と聞いて、リゴロが北から連れてこられた奴隷を跡取りのいない貴族が買ったと判断したことにつながっている。

ホロがロレンスの足を踏んだのは、ロレンスがリゴロの秘書である修道女を見とれていたから。
アニメでは説明がなかったから、ホロの動機がわからんかった。

ロレンスが教会の企みに気づくくだりの説明が多いのでわかりやすい。
1) 酒場の娘にいきなりお金を渡して、50人会議の結果をストレートに聞きに来た商人が多かったこと。
2) そのような商人は、外地商人も街商人もどちらもいたらしいこと。
3) 名誉がかかっている街商人が、地元の娘に無様な聞き方をするのは怪しいことから、50人会議の結果を広めたがっている勢力が意図的に流しているとロレンスが察する。
4) そこから、教会が商会と手を組んでいると気づく。

エーブに「宿ではもう少し低い声で話せ」と言われたのは、カマかけだったと説明がある。
ホロがロレンスの足を踏んだのは、あっさりカマカケに引っかかったから。

ホロがロレンスに別れを切り出した理由は不明なまま。
原作読んでも、明確な説明はなかった。
エーブに「出会いを大切にしろ」と言われたこと、商人ならわかること、ホロはそれを「故郷に着くまで持たない」と言ってること、ロレンスが優しいので楽しさが摩耗すること、が理由と言ってるけどよくわからん。
ロレンスがホロのからかいに慣れて、ロレンスをからかうことが楽しかったホロは、ロレンスをもっと挑発したくなる。それは過激さを増して、いづれはロレンスを傷つけることになるってこと?
でもこの理屈と商人と、どう関係があるんだろう?
商人は金を稼ぐと、もっと金が欲しくなって過激な破滅的な取引をしたくなる存在、という意味かな?

ロレンスがホロに取引の危険性に気づいて言わないままだったのは、ホロが別れを切り出したことへのささやかな復讐。

ロレンスは自分が「盾」の役割を背負わされていると知らなかったので、大胆に堂々と聞き込みできた。
それで「僻地の教会など恐れるに足りないほどの後ろ盾がある男」と思わせることに成功した。
アニメだと単に、1人よりも2人のほうが殺しにくい、という程度の説明しかない。

結末は、原作でもどうなったのか不明なまま。
アニメ同様に、金を取り返すようにホロに言われて、商会を跡にするってシーンでお終い。
エピローグとして何か説明があると期待してたけどな。
6巻以降の続刊では描かれているのかな?

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